今のユジノサハリンスクに、日本統治時代の面影はほとんどありません。
敗戦から4年後の1949年末には日本人の引き揚げがほぼ完了した街は、当然ながら、キリル文字の表記しか見られないし、住んでいる人もロシア人だらけ。
しかし、かつて樺太庁博物館だったサハリン州立郷土博物館とその入口にある樺太護国神社にあった狛犬、かつて北海道拓殖銀行 豊原支店だったサハリン州立美術館、日本が軍用で敷設し、その後国鉄としても営業していた鉄道、鳥居も参道もありませんが、宝物殿風建物だけが取り残された樺太神社……わずかながら、ロシアに取り残された場所からは、確かに、ここに日本があったことを、感じさせられました。
そして、戦争によって、ここが日本ではなくなったということも。
ユジノサハリンスクへは、新千歳からだけではなく、成田からも直行便が出ており、2017年から無料の電子ビザ(4日で申請完了)での渡航も可能になりました。
小さな田舎町ではありますが、南国リゾートや大都市の街歩きとは、またちょっと違った海外旅行体験ができる場所だと思います。